阿波藍の製法process

阿波藍製造暦

広い意味での蒅づくりはタデアイの栽培から始まります。
春から夏にかけての農作業、秋から冬にかけての寝床作業。
多くの人手を必要とし、1年がかりのエ程を経て完成する蒅は、地域を支え、暮らしと切り離すことができない一大産業でした。

藍の栽培と収穫

3月上旬

大安吉日の日を選んで、タデアイの種を苗床に蒔きます。7g/㎡が目安で、約2~3cmになったら間引きします。

タデアイの種を苗床に蒔く様子

3月下旬〜5月上旬

苗が20cm程度に成長すると、4~5本まとめて抜き取り、ワラでまとめて本畑に植え替えます(定植)。

本畑への植え替え(定植)

6月下旬〜7月上旬

苗が60cm程度になると、一回目の刈り取りを行います(一番刈り)。

7月下旬〜8月上旬

一番刈りの刈株から伸びているものを刈り取ります(二番刈り)。時には9月上旬まで「三番刈り」を行うこともあります。
刈り取り後には収穫した葉を断裁し、乾燥、茎・葉の選別(藍こなし)を行った後、ずきんとよばれる莚の袋で保管します。

乾燥、茎・葉の選別(藍こなし)

寝床での蒅製造

9月上旬

一番刈りの葉(葉藍)に同量の水をかけて混ぜ合わせ、約1mの高さに積み上げて発酵させます(寝せ込み)。

寝せ込み

9月中旬〜12月上旬

4~5日ごとに葉藍を切るように崩し、水をかけ、返すように混ぜ合わせては元に戻す作業(切り返し)を約20回行います。
また、切り返しが4~5回目の時、二番刈りの葉藍を加えます。

10月上旬

切り返しが12~13回目を迎えた頃に、団子状になっている葉藍をほぐします(通し)。これは品質のムラを防ぐための作業です。

葉藍をほぐしている様子(通し)

11月下旬

切り返しが17~18回目の頃にも通しを行います。

10〜11月

寝床での切り返し、通しの作業と並行して、タデアイの種(藍種)を収穫します。

収穫したタデアイの種(藍種)

12月中旬以降

以上の工程を経て完成した蒅は叺(かます)という莚の袋に詰められ、全国の染物業者等へ出荷されます。
※叺一俵=約56.25kg

叺(かます)に詰められた蒅

2〜3月

出荷が済むと、来年の作業に備えて寝床の床をつくります。下から順に砕石、砂、もみがら、砂、粘土を重ねて床とします。