阿波藍のストーリーstory

「藍のふるさと阿波~日本中を染め上げた至高の青を訪ねて~」の
日本遺産認定

日本遺産とは、文化庁が認定した、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーです。
地域の歴史的経緯や、地域に根ざした世代を超えて受け継がれている伝承・風習などを踏まえたストーリーのもとに、有形・無形の文化財をパッケージ化し、これらの活用を図る中で情報発信や人材育成、環境整備などの取組みを効果的に進めて地域を活性化させることを目的としています。
現在、全国で83のストーリーが認定を受けており、2020年を最終年として100件の認定を目指しているということです。

徳島の現在の生活文化は、「藍」抜きでは語ることはできません。
「藍」は主に阿波の北方、吉野川の中下流域の沖積平野で栽培されており、この地域は今でも「蒅」の日本ーの産地です。
そこに点在する、高い石垣で土地をかさ上げし、白壁の重厚な建物で囲まれた「藍屋敷」と呼ばれるさながら「城」のような大きな屋敷や、脇町に残る豪華な「うだつ」が上がる街並みからは「蒅」の製造や流通を担った藍師や藍商人たちの知恵とかつての栄華をうかがい知ることができます。
さらに、全国を雄飛した藍商人たちは文化交流の担い手となり、民衆芸能発展のための資金援助者となり、「芸どころ」といわれる徳島の基盤を築き上げました。

藍のふるさと阿波魅力発信協議会では、こうした「阿波藍」の持つストーリーが日本遺産に認定されたことをきっかけとして、その文化的価値の正しい理解と魅力の再認識を進めていきたいと考えています。
そして、「阿波藍」の持つストーリーを構成する様々な文化財をバランス良く保存し活用していくことで、古き良き有形・無形の文化財が今に活かされ、人が訪れたくなる魅力ある地域づくりにつながり、地域の活性化、ブランド化が進むことを期待しています。

日本遺産の取り組みはこれから始まります。

田中家住宅(石井町) 田中家住宅(石井町)

田中家は、寛永年間(1624~1644年)から代々続いた整商。
現在の「田中家住宅」は安政元年(1854年)から約30年の歳月を費やし完成されたもので、藍寝床、茅葺屋根の主屋、地元産の青石が用いられた石垣なと、藍商の全盛期を彷彿とさせる規模と造りが印象的。
主屋を中心に藍納屋、藍蔵等11棟全てが国指定重要文化財。